長文

なんか語りたいとき用

【PJCS2023】轟くディンネズミ

クロダ(@kuroda_Yveltal)がPJCS2023決勝で使用しBest64、WCS2023Day1権利を獲得した構築の記事となります。人の袴で相撲を取るになっていしまいますが思考整理ということで許してください。

構築経緯

アタッカーネズミが使いと思っていたら構築が天から降ってきたので理由は後付気味

  1. アタッカーネズミの性能(詳しい理由は後述)に可能性を感じたところから構築をスタート→
  2. ねずみ算で相手をワンパン(10パン)することで設置できれば強いステルスロックの隙を小さくしたり、ネズミを固くできたりと何かとシナジーのあるディンルー→
  3. 紙耐久のネズミのサポートとして追い風を使いたかったのでサポートネズミ偽装ができ継戦能力の高いトドロクツキ→
  4. イッカサーフで偽装ができること、ここまでで重いノオーツツミに対しても抗えるサーフゴー→
  5. 追い風下で動かせるアタッカーとして威嚇等のデバフを無効にできて妨害されにくいASアーマーガア→
  6. 構築の強そう感がでて適当に投げてもそれなりに動ける襷ハバタクカミを採用して完成→

構築&レンタル

構築のコンセプト

 

①テラスタルに依存しないアタッカー

イーユイやハバタクカミ等の高火力アタッカーは強力であるが故に半減テラスで返り討ちにされるため一致技を撃つ際に択が発生してしまいます。それに対しこの構築のアタッカーであるネズミとアマガは環境的に半減以下で抑えるテラスの採用率が低いことに加えそもそもアタッカーと初見で判断することが困難であることから攻撃の際に択を気にせずに技を選ぶことが可能です。またどちらの攻撃技もテラスタルによる火力増強を前提にしていないため立ち回りの柔軟性も損ないません。

 

ステルスロックによるゲームメイク

この環境はトップメタのパオカイを始めとしてイーユイ、テツノツツミ等ステルスロックの刺さりがとても良いです。マルスケや襷を潰したり、耐久調整を崩したりと一度設置できてしまえば対戦を有利に進めることが可能な反面、選択するターンは盤面に干渉しないためダメージレースで不利を取ってしまいます。そこでネズミで相手を1体倒しながらステルスロックを選択することで擬似的にこちらの耐久を上げ撒くターンの隙を極力小さくするようにしました。

 

③なるべく命中安定の技を採用する

イーユイの熱風等命中不安の技は勿論強力ですが一回の外しで対戦が傾くことを避けるのは難しいです。ランクバトルやインターネット予選等対戦数が多い場合はある程度確率は収束すると思いますが、本戦やライブ大会のように1戦の重みが大きい状況ではなるべく下ブレ要素は外すべきとういう考えのためこの構築でも命中不安技は2つしか入れていません。

 

④並びによる偽装

イッカサフゴ、イッカツキ、ディンアマガ等それっぽい並びを散りばめることで先入観を植え付け構築の意図を汲み取らせにくくしました。BO1かつクローズドという1発芸の通りやすい環境ならではの戦術です。

 

個別解説

イッカネズミ@広角レンズ

特性:テクニシャン

テラスタイプ:ゴースト

努力値:陽気AS252 D4

 A 縛れる範囲を広げるため極振り

 S 準速合体寿司抜き程度のハバタクカミ、アタッカーネズミミラー考慮で最速

 D 災いの器発動時の特化コータスのオバヒの乱数がズレる(18.8%→12.5%で落ちる)

技:ねずみ算 / フェイント / アンコール / 守る

 

本構築のエース。ディンルーやカイナといった高耐久ポケモンを大幅に削れたり、ハバタクカミ以外のアタッカーを軒並みワンパン(10パン)できるのが非常に強力。 拘り無しかつテラスに依存せずに高火力等倍で殴れるポケモンはこいつ以外にいません。メインウェポンのねずみ算と守るのほかには、打点補助と守る貫通のできるフェイント、守るを始めとした補助技を縛ることのできるアンコールを採用、どちらも追い風を枯らす動きに刺さり強力です。ゴーストテラスとディンルーを合わせることでワンパンされることはほぼ無くなるため思った以上に動かしやすかったです。

 

 

ディンルー@オボンの実

特性:災いの器

テラスタイプ:毒

努力値:意地っ張りH44 A156 B4 D212 S 92

 HBD Hpを4nで特殊と殴り合うためにD厚め(適当)

 A 11n ヘビボンで耐久振りのカミを落とす、地震で雑に削れるように高め

 S ミラーやカイナの上をほぼ取れるライン

技:地震 / ヘビーボンバー / カタストロフィ / ステルスロック

 

トドロクツキとサーフゴーが物凄くカミユイツツミを誘うためそいつらと戦う枠です。基本的には地震を撃って相手を削りに行きたいため火力に寄せています。残りの技はカミを処理したりパオをガッツリ削れるヘビーボンバー、高耐久を無理やり削れるカタストロフィ、そしてコンセプトであるステルスロックです。コンセプトにもある通りイッカネズミが相手を倒すターンにステロを設置したいので初手から押さずに隙を見て押すようにすると良いです。テラスタイプは特殊からの弱点を突かれることを嫌い毒としましたがキラフロルにも強く出られるため好感触でした。

 

 

トドロクツキ@ブースターエナジー

特性:古代活性

テラスタイプ:飛行

努力値:陽気 H228 AD4 B148 S124

 HBD 災いの剣込みテラス鉢巻カイリューの神速を耐えるくらいにBに振り余り全部

 S 最速ガブ抜き

技:ワイドブレイカー / アクロバット / 追い風 / 守る

 

ネズミと並んでいると竜舞アタッカーに見えること、他の追い風使いと違い場持ちが良く数的不利を取りにくい点を評価しての採用です。ヤミカラスファイアローは耐久が低いことや弱点の突かれやすさから追い風+1回行動できるかどうかであり数的不利を作ってしまうためアタッカーの要求値が高めになってしまいます。一方このポケモンは数値の高さからフェアリー以外の攻撃でワンパンされにくく、しっかりダメージレースに参加することができる上にワイドブレイカーでパオカイや寿司に対してデバフを押し付けたり、襷マルスケを潰したりすることで横の耐久を上げることも可能です。テラスタイプはディンルーの横で動かしたりアクロバットの威力を上げられる飛行としました。

 

 

サーフゴー@弱点保険

特性:黄金の体

テラスタイプ:水

努力値:控えめ H196 BD4 C68 S236

 HB 陽気パオジアンの不意打ち確定耐え

 HD 臆病ハバタクカミのシャドボ確定耐え

 C 巧み1回で壁込のサフゴ(H252 D4)をシャドボで最低乱数以外落とせる

 S 準速+2 

技:ゴールドラッシュ / シャドーボール / 悪巧み / 守る

 

イッカサフゴの見た目の形成が採用理由の半分くらい占めています。残りの半分はバレル入りのサイクルパやノオーツツミに強く出れる点を評価しての採用です。壁やフレガによる補強がない以上あまり悠長積んでる暇はないためHSにしてなるべく多くの相手を上から叩けるようにしています。弱点保険はツキのワイブレと合わせたり、ノオーの大地で起動できたら強いですが発動機会が少ない上に勝ちに直結する持ち物でもないため、よりノオーツツミに強く出れるよう隠密マントでも良かったかもしれません。

 

 

アーマーガア@拘り鉢巻

特性:ミラーアーマー

テラスタイプ:炎

努力値:意地っ張りAS252 D4

 A 火力不足につき極振り

 S 追い風下でスカーフ最速90族を抜ける

技:ブレイブバード / アイアンヘッド / テラバースト炎 / 蜻蛉帰り

 

びっくりアタッカーその2。環境的に飛行の通りがよく鉢巻ブレバを適当に押すだけでも強いです。勿論それだけでA種族値87、S種族値67の貧弱ポケモンをメインアタッカーにするわけもなく能力下降耐性、タイプ、型の誤認を評価しての採用です。能力下降耐性についてはミラーアーマーによって威嚇を無効にできる他凍える風のSダウンも無効にできるのが本当に強く、追い風の天敵であるSブーストツツミ、カミで止まりません。タイプに関しては耐性が優秀、特に神速を半減できるのが偉く、ブレバの反動+等倍攻撃を大体耐えるので行動回数を稼ぎやすいです。型の誤認についてはアタッカーである上にS振りのため相手から見えない勝ち筋になれるのがBO1と噛み合いが良かったです。前述の通り種族値は低いもののステロ、ワイブレ、フェイントといった細かな削りを入れられる技による火力補強、追い風下で大抵のスカーフ持ちを抜ける(最速イーユイは無理)ギリギリの数値はあるため十分戦っていくことができました。テラスタイプはイーユイの炎技を半減したり、鬼火を透かせる炎。

 

 

ハバタクカミ@気合の襷

特性:古代活性

テラスタイプ:ゴースト

努力値:臆病 CS252 H4

調整は特にないため割愛

技:シャドーボール / ムーンフォース / トリックルーム / 守る

 

入れると見た目が強そうになるので余っていた襷を持たせて小回りがきく型での採用しました。実際追い風後のスイーパーとしても、トリックルームで相手の追い風の切り返したりと選出すれば何かしらできるため無難に強かったです。技は一致2つで確定で火力補強のないマジシャはカスみたいなダメージしか出せないためフェアリー技にはムンフォを選択。テラスタイプはパーティ全体で重い鋼へのダメージ増加を狙えたり、テラスの残っていない相手のカミを落とせたら強いのでゴーストにしました。

 

選出

多かった初手を抜粋、決定力があるポケモンが少ないため大体ネズミアマガ@2

 

①ディンルー+イッカネズミ

強みにしては前述の通りなので割愛。基本的にはねずみ算+カタストロフィで相手を削り、ネズミが相手を仕留めるターンにステロを押します。数的有利を取った後にツキで追い風を貼りアマガで〆る動きが理想です。ちなみに初手ネズミで安易に守るとフレガじゃないことがバレるので覚悟を持って突っ込んだ方がいいと思います。

 

 

②アーマーガア+イッカネズミ

主にディンルータクン等の低速、ガチトリルに対して選出します。ねずみ算+ブレバでH振り程度のディンルーが吹き飛ぶので相手の想定を崩してそのままゴリ押しできます。配信卓を見ていて気づいたんですがサポートネズミ+ビルドアマガの並びに見えるのか弱い動きを取ってくれるかもしれません。

 

 

③カミ+イッカネズミ

アローorカラスキバに対してする選出です。大体追い風+ぶちかましなのでトリックルーム+テラスねずみ算を追い風枠方向に押しておくことで、トリルが決まる→ほぼ勝ち、集中でカミが倒される→追い風を貼られないので安定した展開ができると思います、追い風+キバで投げてくれれば。

 

 

戦績

PJCS2023本戦 マスター(追加開催)

10-3 最終45位 1585.690

 

PJCS2023決勝 マスター

2-2 Best64? WCS2023 Day1 権利獲得

 

 

あとがき

構築は降ってきたものの予選落ちが確定していてランクマをやる気もなくゴミ箱行きだった構築を使って本戦、ライブ大会と勝ち上がって凄すぎる成績を持って帰ってきたクロダには感謝しかありません。ダブルバトルは構築を組む(というか動きを考える)段階で7割くらい決まると思っていましたが、この結果は間違いなく構築のパワーを120%引き出せた使い手の実力あってのものです。負けっぱなしではいられないので来年もVGCはやると思います、多分。とは言えまだWCSという大舞台が残っているのでさらに良い結果が出せるようサポートしていきます。